
写真が引き寄せる10日間。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭のサテライト展示で、私のKG+2025が終了しました。
こんなにも名残惜しくて、最初からもう一度経験したいと思える10日間は、これまでの記憶の中にもなかったくらいです。
今回展示した作品は、5年前に中判一眼レフカメラ「PENTAX 67」で撮影したものです。初代は1969年に発売された、まるで化け物のように大きなカメラで通称「バケペン」と呼ばれています。
デジタルでは捉えきれない光のグラデーションや、柔らかく立体的な肌の色が印象的に写るのが特徴です。それとシャッター音や作動音も良い‼
そして私は、このカメラを構えている姿が好きで、「ファインダーが綺麗だから、覗いてみて」と誘い、会場となったザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULICのスタッフさんや、展示を見に来てくださった方々をつかまえては、写真を撮って遊んでいました。(私のコレクション、一部です)
昨年11月の打ち合わせで「できるだけ会場にいてほしい」と言われたとき、正直「困ったな…」と思いました。自分の仕事を10日間まるっと空けて、しかも部外者である私がホテルのロビーにずっといて、誰かを待ち続けるなんて、孤独で落ち着かないはず。
でもまさかこんなにも、たくさんの人に作品を見てもらえるなんて…‼しかも、ホテルのスタッフの皆さんが本当に親切で、毎日やさしく声をかけてくださるんです。感動で、「ここに住みたい」と本気で思いました…
それに、英語がまったく話せなくても、カメラがあれば海外の方とも友だちになれることを知りました!中判カメラを持っている!とお互いのカメラを持ってツーショット撮って仲良くなって、翌日にはお友だちも連れてきてくれて、みんなでチェキを撮って遊んだり。また、叔母と旅行に来ていた方が「作品が美しい」と言って、写真で作ったしおりをなんと6枚も買ってくださったり、一緒に写真を撮ったりもして、いろんな出会いが面白くて、ちょっと度胸もついた気がします。
この写真を薄い布に印刷して展示したのは、LGBTQをテーマにしたポートレートだったから。綺麗に見せるために額装するのではなく、風に揺れる様子をぼんやり眺めてほしいと思ったからです。
展示が成功だったのか、これが今後につながるのかはまだ分かりませんが、「ありがとう」のメールに自撮りでバイバイの写真を添えてしまうくらいには、強烈に楽しくて浮かれていたんだと思います。